愛しい君へ
「俺の幸せ?」

「ああ、自分の事は忘れて新しい奥さんとの幸せな未来を願ったんだよ。
自分の実家には年老いた両親だけだと、子供を引き取っても不安しかないだろ?
だから、お前に大切な子供を託したんじゃない?」

「将史を俺に託した……
ああ、ゴメン草山。頭の中が混乱してて……」

「そりゃそうだな。離婚の裏には松本さんの愛が隠されていたんだからな。
表の離婚の感情のままなら上野のも辛くなかったのに、裏の松本さんの愛をしったら堪らないよなぁ。
今日は眠れないかもしれないけど、ご両親にも話しをしたら、頭が整理できるかもな」

「うん。ありがとう草山。もう家はあそこだから大丈夫だ。
この後皆んなの所へ戻って『上野は大丈夫』って伝えてもらえるか?」

「ああ、わかった。じゃあ明日頑張れよ。
いつでも俺達が相談にのるからさ」

「うん。ありがとう。じゃあまた」

「おやすみ」
と言って草山は来た道を戻って行った。
< 55 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop