恋の♡魔法のチョコレート
「じゃあ始めようっか!チョコ研文化祭お疲れ様会~!」

家庭科室にあったグラスにジュースを注いで、みんなでカンパーイ!と高々に声を上げた。

たぶんほとんど森中部長の声だったけど。

作ってきてくれたお菓子を取り分ける、こんな時もテキパキと小鳩は動いていた。

「メリー今日はしあわせだね、ただ甘いものを食べるだけの部活…!」

「うん…!いや、だいたいそうな気はするけど私とそらぴょんって」

「え~なんか気分が違くない?」

「気分…」

違う…かな?
そりゃ小鳩のことを見る私の気持ちは?
ちょっとは変わったかもしれないけど…いつもお菓子食べてることには変わりないんだから文化祭の前と後、特に何か変わったとか…

「森中先輩、俺がやります!」

空になったグラスにお茶を注ごうとしてた森中部長の元に、ハイッと右手を上げすぐに2リットルのペットボトルをサッと受け取った。
さぁどうぞ、って紳士的にお茶を注いであげてにこっと笑ったりなんかして…

え?全然違うじゃん…

は、何それ!?

前みたく大人しくはなったけど(さすがにまだ森中部長にやっぴーとか言わないし)、大人しくなったんじゃなくて大人になったって感じ!?

それにありがとうって森中部長も微笑んでる。

え、えぇーーーーーーーっ!

私だけじゃない、そっらぴょんも変わってるんだ!

そっらぴょん、進んでるんだ…!!

がんばってるんだね。

少しずつかもしれないけど、そーゆうのって大事だよね。

あ、なんか嬉しいかも。

そらぴょんが嬉しそうで私も…

……。


………。



……え、待って。


あれ、待って???


そうだ、小鳩の好きな人…!


森中部長、じゃないのかな?違うのかな?

本人から聞いたわけじゃないけど、なんとなく…

そうかと思ってた。

小鳩は森中部長のことが好きなんじゃないかって。

「………。」

やばい、急にぎゅーって心臓を掴まれたみたい。

そらぴょんが森中部長と笑ってると嬉しいのに、小鳩が森中部長と笑ってたことを思い出すと苦しい…
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