恋の♡魔法のチョコレート
え、今…?


今そらぴょんハッキリ言ったよね??


付き合いたいのは森中先輩って…


え、それって告白ってこと?


森中部長含む全員が沈黙のまましーんとした空気がひたすら流れてる。

みんなビックリし過ぎて何も言えないんだ。

だってこのあとは誰が喋ったらいいの?

誰のターン?

ぼんっとそらぴょんの顔が赤くなった。

空色の髪の下で真っ赤になって、信号みたい。

あ、それは逆だっけ?どうだっけ?

今そんなことどーでもいいか!

えっとー…、どうしたらいんだろう?
私何か言った方がいいのかな…

きゅっと口を結んだそらぴょんはきっと言うつもりはなかったんだと思う。

これは完全に勢いっていうか、触発されて言っちゃったみたいな…

えー、これどうしたら…

ふと森中部長の方を見てみた。

2回パチクリ瞬きしちゃった。

口を抑えて真っ赤な顔をしていた、そらぴょんとおんなじだった。


えっ!?それって何!?

どーゆう…っ


「もっ、森中先輩…!が、好きです!」

すぅっと息を吸ったそらぴょんは心に決めたみたいにスッと森中部長の方を見た。
緊張が走る、自分のことみたいにドキドキする。


「付き合ってください…!」


そらぴょんの震えた声が私にも伝染してなぜだか震えちゃった。

すごい、そらぴょん!

ちゃんと森中部長に気持ち告えてる…!

どうなるのかな、どうするのかな…っ

森中部長は…!


「…はい、お願いします」


いつも元気な森中部長がおしとやかな声で返事をすると同時、ぺこりと可愛らしく頭を下げた。


え、え、え…



わぁーーーーーーーーーーーっ!!!



やっば、展開やっば!



そらぴょんと同じぐらい顔を赤くした森中部長は、恥ずかしそうに頬を両手で隠すように押さえて首を振っていた。

「てっきり笹原くんは柳澤ちゃんのことが好きだと思ってたからっ」

それは本当に全くちっともそんなことないんだけど、そらぴょんがチョコ研に入部した理由は森中部長のことが好きだからだし。

「一緒に文化祭の準備したり、模擬店出したりして、いい子だなって思ったけど好きになったらダメだと思ってて…っ」

ぽろっと森中部長の瞳から涙がこぼれた。

「嬉しい…」

“みんな恋したら悩むことばっかなんだよ”

ほんとにそうだよね。

みんな一生懸命だよね。

森中部長の涙だって、悩んだ証だもん。

そらぴょんの想いが届いて、森中部長の想いが叶って、だけど…


そしたら小鳩は?



小鳩の想いは、どうなるの…
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