恋の♡魔法のチョコレート
1時間寝たせいかすっかり体調はよくなって、ただ単に寝不足だったのかもしれないと思った。

最近寝てないわけじゃないけど…

ふと考えることは多くって。

今日は部活の日、今日は何するのかな…

小鳩が辞めたチョコ研はめきめきと活動することもなくて、たまーに集まって話したり作ってみたり…
でも誰もできないから中途半端に終わっちゃって全然研究すらできてない。

いつも小鳩何してたかな?

私もカカオからチョコレート作ってみようかな…


「あ」


家庭科室へ行く通り道、下駄箱で帰ろうとしていた小鳩に会った。

パチッと目が合って小鳩も私に気が付いた。

「今帰り?」

「どう見てもそうじゃないですか」

「そうだけどさっ」

その言い方はほんと変わらない、地味に久しぶりに喋ったのに。どこでも変わらない小鳩はテキパキと上靴からスニーカーへ履き替えていた。

「ねぇ、今日暇?」

「何ですか?」

「部活来ない?」

「僕もう退部したんですけど」

「でも退部した人が来ちゃいけないってルールもないし」

はぁ~~~っと長めのタメ息を吐かれた。

うわー懐かしーその顔懐かしー

「帰ります」

「あっ、待ってよ!」

そそくさと帰ろうとする小鳩を思わず追いかけちゃった。

「まだ何か用ですか?」

用は…いっぱいあったけど、1番聞きたいことは教えてくれないし。

私に開いてくれる心の扉はたぶんない。

「ううん、なんでもない。私部活行くから、じゃあね!」

「さようなら」

小鳩と別れた。

帰る小鳩と部活に向かう私。

前ならこのまま一緒に家庭科室に行ったんだけどな。

隣に並んで、当たり前みたいに。

顔を見たのも、声を聞いたのも、あの日以来だった。

元気…

だったかな。

全然いつもと変わらなかったな。

小鳩と好きな人はどうなったんだろう。

今日も眠れない気がする。

私なんでチョコ研入ったんだっけ?

やましい気持ちで部活始めるからすぐ迷っちゃう。
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