恋の♡魔法のチョコレート
「メリー一緒に帰ろ~!」

今日の部活は喋りながらチョコレートを溶かしていた。
牛乳を加えて、前に習ったようにチョコレートフォンデュ…具材が特になかったから売店で買ったロールパンで。普通においしかった。

「…森中部長と帰らないの?」

小夜(さよ)先輩用事あるっぽくて」

いつの間にか森中部長のことを小夜先輩って呼ぶようになって、あんなにドギマギしてたそらぴょんは気付いたらいなくなってた。

「白沼先生と今後の部活の打ち合わせだってさ」

「へぇ、そっか」

前に小鳩が言ってたあれかな、そーゆうことは全部してくれてるって。
部活に昇格して部費が増えて活動範囲が広がった分、森中部長の経営?業務は増えたらしい。でも森中部長的にはそっちの仕事の方が好きみたいなんだけど。

「だからメリーかーえろっ♡」

「いいよ」

そらぴょんとはよく話すけど、森中部長と付き合い始めてからこうやって一緒に帰ることは減っていてこれも久しぶりだった。

マフラーをめいっぱいぐるぐる巻きにして寒い廊下を歩いて下駄箱に向かった。

こんな寒いのそらぴょんはるんるんして楽しそう。恋するオーラ眩しすぎ。

「あ、そーいやーさー!メリーは好きな人とどうなったの?」

「えっ」

「文化祭一緒に回ったんでしょ?告白した?」

「あー…あれは」

なんかすごく前な気がする。もうすっかり私の中のオージ先輩が消えてしまったみたいに…、それを人に言うにはすっっっごく後ろめたい気持ちになるけど。

「…好きな人は、好きな人じゃなくなった…の」

そらぴょんはどんな顔するかなって隣は見られなかった。ただ前を向いて、カタコトに口を動かした。
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