恋の♡魔法のチョコレート

Magic6.こぼれる気持ち

今日で2学期も終わり、明日からは冬休みだ。

冬休み中は部活がない。

部活があってもなくても小鳩には会えないんだけど。

もう久しく顔も見てない。

ずっと会いづらくて。

「メッリーーーーーーーー!やっぴーーーーーー!!!」

「わ、そらぴょんなんか久しぶりだね。いつになく絶好調で安心しちゃったわ」

「元気はナンボあってもええですからね!」

「なにそれっ」

朝一番、私を見つけると走ってきたそらぴょんと教室まで向かった。
白い息が舞うほど寒いのにそらぴょんは身振り手振りが大きくて全くそれを感じさせない。

「あ、そーいやーさー!琴ちゃん結婚するんだってね、俺知らなかった!」

「あーそうだね、もう明後日…じゃない?」

今日は12月23日、だから琴ちゃん先生の結婚式は明後日の12月25日。

「メリー知ってたんだ!最近琴ちゃん元気なさそうだったから逆に彼氏にでも振られたのかと思っちゃった!」

「え…、そうなの?」

そういえば最近小鳩にも会ってなかったけど琴ちゃん先生にも会ってない。
保健室に行かなきゃ会えない琴ちゃん先生に会わないようにするには簡単だったから。

「いや、知らないけど。俺の勝手な憶測で」

そらぴょんがわざとふーっと息を吐いた。
何度吐いても舞う白い息をケラケラと眺めながら。

「でも結婚するならそんなことないよね!他になんかあったのかな~」

「……。」

「えっ、メリー!?」

「…っ」

どうしたいってわけじゃない。

どうなっててほしいってわけでもない。

でも、走ってた。

わかんないけど、走ってた。

一直線に下駄箱に向かい、そのまま保健室までとにかく走った。
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