恋の♡魔法のチョコレート
Magic7.これが最後のチョコレート
次の日小鳩とチョコレートを作った。
白沼先生には部活だからって家庭科室を開けてもらって、チョコ研の活動ですって嘘ついて。
今日の小鳩はいつも通りといえばいつも通りで、てゆーかチョコレートが絡むとあの小鳩しかいなくて昨日の小鳩は何だったんだって思うほどで。
「柳澤さんまだですからね!勝手に触らないでください!」
「ごめんなさい…っ」
「なんでこんなに散らかってるんですか!先にこっち片付けてもらえますか!」
「は、はい…!」
いや、いつも以上にスパルタかもしれない。
それでも…
「…何ですか?何人の顔見て笑ってるんですか?」
「ううん、何でもない!」
久しぶりにチョコレート作る小鳩が見られて嬉しかったりするんだ。
やっぱりチョコレート作ってる小鳩が1番輝いてるよ。
「これすごいね、チョコレートで作っちゃうって発想もすごいけどこんな技術持ってる小鳩さすが!」
「そうでもないです、そんなに難しくもないですから」
平然とした顔でテキパキと作業を進めていく、実際簡単なのかそうでもないのか…簡単だとしてもその上をいくクオリティで作るのが小鳩だし、何より超イキイキしてる。
「これはこっちのがキレイですかね」
チョコレートと向き合いながら独りごと言って、例えるなら水を得た魚みたいな。
味に拘って、触感に拘って、ディテールに拘って、ラッピングまでも拘って…やっと完成した。
琴ちゃん先生に渡すチョコレートが。
「すっっっ…ごい可愛い!超可愛い!もうお店出しなよ!絶対バズるよ!」
つい興奮気味に一気に喋ったら小鳩がくすくす笑ってて、ちょっと恥ずかしくなった。
でも全部本当のことしか言ってないし。
「…琴ちゃん先生絶対喜んでくれるよ」
そんな姿が浮かぶ。
「小鳩…、明日がんばってね!」
明日は琴ちゃん先生の結婚式、いっちばん可愛い琴ちゃん先生が見られる日。
「…あのチョコレートは、あのチョコレートを最後にと決めていました」
とびきり可愛くできたチョコレートを見つめながら小鳩が私に話し始めた。
俯いたままだだたけど、丁寧に言葉を紡ぐように…教えてくれた。
私に託そうとしたあのチョコレートのことを。
「琴乃が結婚する1ヶ月前にこれを最後にしようと決めて作りました。そこに全部置いてきて、全てクリーンな状態で、…迎えようと思ってました」
期限まで決めてしまうところまですごく小鳩っぽくて。
それで文化祭の前日、小鳩の中で終わらせようとしてたんだ。
「………。」
でも気持ちってそんな簡単なものじゃないよね。
それでもいいんだよ。
いいんだよ、小鳩。
それでいいの。
「何らしくない顔してんの~?」
「なんですかっ」
「塞ぎ込んだ顔してるから!」
神妙な面持ちでラッピングしたチョコレートを見てるから、覗き込んでふふって笑って見せた。
「今小鳩が持ってるのって小鳩結都にしか作れない史上最強の“魔法のチョコレート”でしょ?」
小鳩にしか作れない、小鳩にしか使えない。
まるで魔法なチョコレート。
これ以上心強いことなんてないよ。
「…柳澤さんは本当楽天的ですね」
「え!?」
「柳澤さんらしいと思いますよ」
「…褒めてるのけなしてるの?」
「褒めてますよ?」
にこっと私を見て笑った。
そんな顔されたら私の頬が熱くなっちゃう。
「柳澤さん」
「ん?」
「明日、一緒に来てもらえますか?」
「え、でも私呼ばれてないし!」
「生徒ですから行っちゃいけないなんてことないと思います、式は基本誰でも参加出来ますし」
「そうなの!?」
ゆっくりチョコレートを手にした小鳩。
優しく、壊さないように。
「明日、柳澤さんにも来てほしいです」
「…でもっ」
「願い事、聞いてもらえるんですよね?」
消え入りそうな声で言われたら、断ることはできなくて。
わかったと頷いた。
白沼先生には部活だからって家庭科室を開けてもらって、チョコ研の活動ですって嘘ついて。
今日の小鳩はいつも通りといえばいつも通りで、てゆーかチョコレートが絡むとあの小鳩しかいなくて昨日の小鳩は何だったんだって思うほどで。
「柳澤さんまだですからね!勝手に触らないでください!」
「ごめんなさい…っ」
「なんでこんなに散らかってるんですか!先にこっち片付けてもらえますか!」
「は、はい…!」
いや、いつも以上にスパルタかもしれない。
それでも…
「…何ですか?何人の顔見て笑ってるんですか?」
「ううん、何でもない!」
久しぶりにチョコレート作る小鳩が見られて嬉しかったりするんだ。
やっぱりチョコレート作ってる小鳩が1番輝いてるよ。
「これすごいね、チョコレートで作っちゃうって発想もすごいけどこんな技術持ってる小鳩さすが!」
「そうでもないです、そんなに難しくもないですから」
平然とした顔でテキパキと作業を進めていく、実際簡単なのかそうでもないのか…簡単だとしてもその上をいくクオリティで作るのが小鳩だし、何より超イキイキしてる。
「これはこっちのがキレイですかね」
チョコレートと向き合いながら独りごと言って、例えるなら水を得た魚みたいな。
味に拘って、触感に拘って、ディテールに拘って、ラッピングまでも拘って…やっと完成した。
琴ちゃん先生に渡すチョコレートが。
「すっっっ…ごい可愛い!超可愛い!もうお店出しなよ!絶対バズるよ!」
つい興奮気味に一気に喋ったら小鳩がくすくす笑ってて、ちょっと恥ずかしくなった。
でも全部本当のことしか言ってないし。
「…琴ちゃん先生絶対喜んでくれるよ」
そんな姿が浮かぶ。
「小鳩…、明日がんばってね!」
明日は琴ちゃん先生の結婚式、いっちばん可愛い琴ちゃん先生が見られる日。
「…あのチョコレートは、あのチョコレートを最後にと決めていました」
とびきり可愛くできたチョコレートを見つめながら小鳩が私に話し始めた。
俯いたままだだたけど、丁寧に言葉を紡ぐように…教えてくれた。
私に託そうとしたあのチョコレートのことを。
「琴乃が結婚する1ヶ月前にこれを最後にしようと決めて作りました。そこに全部置いてきて、全てクリーンな状態で、…迎えようと思ってました」
期限まで決めてしまうところまですごく小鳩っぽくて。
それで文化祭の前日、小鳩の中で終わらせようとしてたんだ。
「………。」
でも気持ちってそんな簡単なものじゃないよね。
それでもいいんだよ。
いいんだよ、小鳩。
それでいいの。
「何らしくない顔してんの~?」
「なんですかっ」
「塞ぎ込んだ顔してるから!」
神妙な面持ちでラッピングしたチョコレートを見てるから、覗き込んでふふって笑って見せた。
「今小鳩が持ってるのって小鳩結都にしか作れない史上最強の“魔法のチョコレート”でしょ?」
小鳩にしか作れない、小鳩にしか使えない。
まるで魔法なチョコレート。
これ以上心強いことなんてないよ。
「…柳澤さんは本当楽天的ですね」
「え!?」
「柳澤さんらしいと思いますよ」
「…褒めてるのけなしてるの?」
「褒めてますよ?」
にこっと私を見て笑った。
そんな顔されたら私の頬が熱くなっちゃう。
「柳澤さん」
「ん?」
「明日、一緒に来てもらえますか?」
「え、でも私呼ばれてないし!」
「生徒ですから行っちゃいけないなんてことないと思います、式は基本誰でも参加出来ますし」
「そうなの!?」
ゆっくりチョコレートを手にした小鳩。
優しく、壊さないように。
「明日、柳澤さんにも来てほしいです」
「…でもっ」
「願い事、聞いてもらえるんですよね?」
消え入りそうな声で言われたら、断ることはできなくて。
わかったと頷いた。