恋の♡魔法のチョコレート
急に手が軽くなった。
小鳩がチョコレートに手を添えたから。
「……。」
そのまま渡っていったチョコレートの行方が気になってゆっくり顔を上げると、紙袋の中を確認した小鳩が箱を取り出していた。
おもむろに、パカッと箱を開けた。
……、あっ!
「あのねっ、これは!」
そうだ、絶対1ミリたりとも傾けちゃいけないはずだったのにここまで走ってきちゃったから…
クッキーで作ったカップから固まらなかったホワイトチョコレートがはみ出て、箱中びっちゃびちゃの無残な姿に。
こんなの渡せない!
そう思ってあわてて返してもらおうとした時、小鳩がひとくち食べた。
「え…」
なんの躊躇もせず口に運んで行ったから、私の方がびっくりしちゃって。
「全然美味しくないですね」
「それはわかってるー!」
やっぱまた泣きそうになった。
「チョコ研入ってどれだけ経ったんですか?こんなに活動してきて、この程度ですか」
「わ、私だって思ってるよ!でもっ、小鳩に聞いたこと生かしてホワイトチョコに牛乳入れたらよりおいしくなるのかなーって考えてそれでっ」
「ホワイトチョコは固まりませんよ」
「え!?そうなの!?」
「比率にもよりますがミルクチョコレートやビターチョコレートと同じ感覚では無理ですね、というかミルクやビターでも固まりにくいですし生クリームのがいいです」
全然知らなかった…
私ほんとに何してたのこの数か月…
「ちなみに牛乳を使う場合、コクも出ないのでバターやマーガリンを加えることが必須です」
「そーなの!?だってチョコレートフォンデュした時は…っ」
「あれはフォンデュですから固めることを想定してないですし、果物を付けることによって味のバランスを取ってますから」
「へぇー…」
チョコレートってバターとかマーガリンも入ってるんだ、そんなの知らずに部活してたんだ私怖い。
ただ牛乳のがあっさりするってことだけ覚えてて、甘ったるいより小鳩はそっちのがいいかなって思って作っちゃった。
うわっ、恥ずかしい。
何それ超恥ずかしい…!
「まぁでも…」
出来損ないのチョコレートを見て小鳩がくすっと笑った。
「今まで一番好きなチョコレートかもしれません」
“食べるのも好きだったら、部活ももっと楽しくない?”
小鳩がチョコレートに手を添えたから。
「……。」
そのまま渡っていったチョコレートの行方が気になってゆっくり顔を上げると、紙袋の中を確認した小鳩が箱を取り出していた。
おもむろに、パカッと箱を開けた。
……、あっ!
「あのねっ、これは!」
そうだ、絶対1ミリたりとも傾けちゃいけないはずだったのにここまで走ってきちゃったから…
クッキーで作ったカップから固まらなかったホワイトチョコレートがはみ出て、箱中びっちゃびちゃの無残な姿に。
こんなの渡せない!
そう思ってあわてて返してもらおうとした時、小鳩がひとくち食べた。
「え…」
なんの躊躇もせず口に運んで行ったから、私の方がびっくりしちゃって。
「全然美味しくないですね」
「それはわかってるー!」
やっぱまた泣きそうになった。
「チョコ研入ってどれだけ経ったんですか?こんなに活動してきて、この程度ですか」
「わ、私だって思ってるよ!でもっ、小鳩に聞いたこと生かしてホワイトチョコに牛乳入れたらよりおいしくなるのかなーって考えてそれでっ」
「ホワイトチョコは固まりませんよ」
「え!?そうなの!?」
「比率にもよりますがミルクチョコレートやビターチョコレートと同じ感覚では無理ですね、というかミルクやビターでも固まりにくいですし生クリームのがいいです」
全然知らなかった…
私ほんとに何してたのこの数か月…
「ちなみに牛乳を使う場合、コクも出ないのでバターやマーガリンを加えることが必須です」
「そーなの!?だってチョコレートフォンデュした時は…っ」
「あれはフォンデュですから固めることを想定してないですし、果物を付けることによって味のバランスを取ってますから」
「へぇー…」
チョコレートってバターとかマーガリンも入ってるんだ、そんなの知らずに部活してたんだ私怖い。
ただ牛乳のがあっさりするってことだけ覚えてて、甘ったるいより小鳩はそっちのがいいかなって思って作っちゃった。
うわっ、恥ずかしい。
何それ超恥ずかしい…!
「まぁでも…」
出来損ないのチョコレートを見て小鳩がくすっと笑った。
「今まで一番好きなチョコレートかもしれません」
“食べるのも好きだったら、部活ももっと楽しくない?”