恋の♡魔法のチョコレート
「あれ?咲希今日は帰るの?」

ホームルームは終わってしょーーーがなくそらぴょんを待ってると、すでに帰る支度をした咲希が教室から出ようとしていた。いつもは光介くんを待ってるから支度だってゆっくりなのに。

「うん、部活忙しいみたいで先帰ってって言われたから」

「そっか、部活やってる人は大変だよね」

「ねー、遅くなっちゃうと待ってられるのも気になるみたいで」

それも気ぃ遣っちゃうか、待ってる方も待たせてる方も。
付き合うにもいろいろあるんだね、彼氏いたことない私にはそこは未知なる世界だなぁ。

「咲希1人なのにごめんねー、そらぴょんのゴリ押しの約束があって」

「全然いいよ、笹原くんと楽しんできてよ」

「いや、楽しいかどうか…」

そらぴょんにも咲希ぐらい気遣いって心を持ってほしい。こっちの予定お構いなしなんだから。

「咲希にもお菓子買って来るよ!」

「ありがとう、楽しみにしてる!」

ばいばいと手を振って、咲希が教室から出て行った。

同じように教室を出てチラッと隣のクラスを覗いてみるとまだホームルーム中だった。

そらぴょん一番前の席じゃん。あの頭で一番前って、ほんとどこでも中心じゃん。

「………。」

小鳩はどこかな。

ある意味小鳩も目立つからすぐわかりそうだけど…

あっ!

思いっ切り目が合った。

覗いた窓から一番近い席に座ってたから。

前から3番目の廊下側…、めっちゃ嫌そうな顔されたし。

…もう完全嫌われてるかな、私。

いっそのこと営業スマイルでも決めようかなって思ったけど、また舌打ちが聞こえそうな気がしてやめといた。ホームルーム中にクラスメイトだって小鳩の舌打ち聞きたくないよね。
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