恋の♡魔法のチョコレート
怒られる前にサッとドアの影に隠れた。

あんまり小鳩を刺激するのはやめよう、目標に辿り着けなくなってしまう。

ペタっと壁にくっ付くようにもたれて、ホームルームが終わるのを待った。

「おっまたせーーーーー!!!」

思ってる3倍のテンションでやって来る、デフォルトのダブルピースをして。

「…待ってたよ」

「ごめんね~、遅くなっちゃって!」

声も思ってる3倍するから、チラチラとみんなが見ていく中、目を細めた小鳩がゴミを見るような目で見ていく。

ちょ!そんな顔しかめなくてもいいのに!

おはようも言えなかったけど、ばいばいも言えなかった。

「行こ!学校終わるとお腹空くよね~!」

ニコニコとご機嫌なそらぴょんが少しだけ気になっちゃった。

なんでいっつも自分のペースなの?
もっと周り見えないの!?
てゆーかまだ私行くって言ってない!
…行くけどね!
行くつもりで待ってたけどね!!

「駅前のお店知ってるー?西側のちっちゃいケーキ屋さん!」

「…知らない」

その不服さを表に出したくてわざと冷たい言い方をした。

「じゃあ初めてだ!絶対気に入るよ、すっごい可愛いから!」

なのにニコッと小動物みたいに笑うから。なんだか私が負けたみたいじゃん。

「俺のおすすめはやっぱりマドレーヌだよ!」

「…じゃあそれ買う」

「ほんと~?俺もいっぱい買お!」
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