恋の♡魔法のチョコレート
「チョコレートフォンデュはどうかな?」


溶かしたチョコレートにマシュマロやフルーツ、パンを絡めて食べる想像しただけでおいしい夢のスイーツ。

私的には聞いただけで最高!今すぐ採用したい!

「甘いものが苦手なら、パイナップルとかぶどうとか!いちごは季節じゃないけど…フルーツの酸味で食べられるかなって!」

「そらぴょん案外ちゃんと考えてくれたんだね」

常に元気!テンション!元気!でやってるそらぴょんがそんな思考持ってるとは思わなかった。ちょっといい感じのアドバイスないかな~って軽い気持ちで相談したら、わりと明確な答え返って来てびっくりした。

「甘く見てもらったら困るなメリー、甘いのはチョコレートだけでいいんだよ」

「その一文は余計だったよ」

フッとカッコつけるそらぴょんは置いといて、さっそく果物コーナーでいくつか物色してみる。

何がいいかな~
チョコレートに合うフルーツ…、何でも合う気がするけど。チョコレートかけたら何でもありだと思うし。

「メリー、これは?めっちゃおいしそう!」

「ほんとだ!おいしそう!…でも予算オーバーね、シャインマスカットは普通に高い」

「それな~」

私たちが買えるものには限界があって、昨日マドレーヌも買っちゃたし、なるべく低予算で種類多く食べられるものを選んだ。

「チョコレートは?買わなくていいの?」

「うん、チョコ研だからチョコレートはあるかなって…ないかな?」

「さぁ?あるかもしれないけど、俺らにくれるのかな?」

「………無理矢理もらおう」

チョコレートまで買う予算がなくて、そこはどうにか頼み込めば…土下座だってもう何度だってできるし、あんまり効果はなさそうだけど。

「まぁ、ならいいけど。でもあんなに頑なにチョコレート作ってくれないゆいぴーがチョコレート分けてくれるかな」

「それは…っ」

なるようになるかなって思った、んだけど…

“魔法のチョコレート手に入れたんだけど!”

飲み物でも買いに行こうかなって下の自販機まで行った時、ちょっと離れたベンチで聞いた先輩たちの会話。

“そう!小鳩結都が作ったチョコレート!”

ハッキリ聞こえた。

だから間違いなく、あれは本物の魔法のチョコレートなんだと思う。

初めて見たから…

本当に作ってもらえる人がいるんだって興奮しちゃって、大事なこと忘れてた。

あの魔法のチョコレート、どうやって手に入れることができたの?
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