恋の♡魔法のチョコレート
「やっぴ~~~~!チョコレートフォンデュしよ~~~~!!!」

そらぴょんはすごい。

どこへ行ってもそらぴょんを貫くから。

小鳩のアイスピック並みに刺さったら大ケガしそうな視線にもダブルピースキメちゃうんだから。

「…チッ」

言葉が出て来なかった小鳩が舌打ちで済ませたよ!全部を“チッ”に込めたよ!!

放課後、今日こそはとそらぴょんと家庭科室へやって来るとすでに小鳩も来ていてチョコ研の活動を始めようとしていた。

「チョコレートフォンデュの機械持って来たよ!」

準備のいいそらぴょん、わざわざ家から持ってきてくれた。

コンセント入れるだけでいいミニ鍋タイプの超楽々フォンデュ機械、そらぴょんいわくチョコファウンテンは無理だったってタメ息交じりにいわれたけどそんな大きいの持って来るのも大変だしこれでよかったと思った。

「そしてぇー、なんとなんと!」

すぅーっと息を吸ったそらぴょんがタタタッと冷蔵庫に駆け寄り、ふんっと鼻を鳴らしてこれ見よがしにバーンと開けた。

あ、やばい。

それは嫌な予感がする。

「フルーツも用意してありまっす!!」

あーーー…
小鳩からまた舌打ちが聞こえる。

「そらぴょん、それもうバレちゃってるの!昨日の時点でバレちゃったの!」

「あ、そうなの?じゃあ今のカットしよう!カットフルーツだけに!」

「そらぴょん、鋼のメンタル!」

小鳩のイライラが募っていく。

でもまだ言わなきゃいけないことがあって。

チョコレートフォンデュをするのに必須項目なあれ…!

「…小鳩、チョコ研のチョコレート分けてもらえない?」

予算オーバーで買えなかったチョコレートを頂きたくて。
両手を合わせて、申し訳ありませんがと精一杯雰囲気を作ってお願いしてみた。

「…うちは研究会なんで、部費が少ないことをご存じないですか?」

「でっすよねー…」

しまった、もしかして探したら家にあったかもしれないのに…っ

探してくるんだった、食べ忘れの賞味期限切れたやつとかギリあったかもしれないのに…!
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