恋の♡魔法のチョコレート
さて、次なる手はなんだろうか…

あっという間に1日は過ぎて、今日の授業が終わった。

「咲希、今日も光介(こうすけ)くんと帰るよね?」

「うん、でもあっち部活だから待ってる感じだけど」

「いいなぁ~、キュンキュン♡」

いつも彼氏の光介くんの部活が終わるのを待っている咲希は本当健気で可愛い。そして羨ましい。

「詩乃は?帰らないの?」

「うん、今日はちょっとしたいことがあって…咲希いつも図書室で待ってるでしょ?私も一緒に行ってい?」

「いいけど…、したいことって何?」

「やっぱまずは相手のことを知ることからだと思うんだよね!」

攻略難易度ハードモードな相手を倒すにはやっぱり下調べは大切で、それと同時歩み寄りも必須だ。なるべくスマートに懐に入るためにも、できることからしなくっちゃ。

「…で、チョコレートについて勉強することにしたの?」

「うん!小鳩結都とチョコレートトークをするためにね!」

まずは知識を身に付けよう、困った時に話が続けられるように!

図書室にあったチョコレートについて書かれた本をいくつか持って席に着いた。
窓際のカウンタータイプになってる席に咲希と隣になるように、咲希は分厚い難しそうな本を持ってきていた。

「盛り上がるかな、チョコレートトーク」

「盛り上がらせてみせるよ、チョコレートトーク」

ペラっと持って来た本のページをめくる。

本を読むのは苦手で、読書感想文を書く時ぐらいしか読んだことない。

咲希みたいにあんな分厚い本…、私だったら読み終わる前に飽きちゃうな。

チョコレートは好きだからまだかろうじて読めなくもない…けど、歴史の授業は大ッ嫌いだけど、チョコレートの歴史ならまだね、まだ…
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