恋の♡魔法のチョコレート

Magic4.手に入れたい魔法のチョコレート

「咲希、自分で作ってるの!?」

「うん、最近ね。ちょこちょこ始めたの」

「えーーーっ、咲希ぽすごいね!メリーのお母さんは料理上手だね!」

「なんで私はお母さんが作った前提に言うの!?そうだけど!」

やんややんやと今日も楽しくお弁当の時間、みんなで1つのテーブルを囲って食べるお弁当はおいしいし楽しい。

「………。」

そう1人を除いては。

しゃんと背筋を伸ばし、キレイに箸を持つ手も様になってるのに、眉間のしわだけは頂けないと思う。

「…なんで皆さんここにいるんですか?」

ジロッとこっちを見る視線からイライラ感が伝わって来た。

「だってゆいぴーいっつもぼっち飯なんでしょ?みんなで食べた方がよくなーい?」

「…っ」

やば、そらぴょんやばっ。

小鳩の問いかけに、とりあえず何か言わなきゃって口を開いてはみたけどいい言い訳が見付からなくてただ口をぱかって開けてる私の前でそんな鈍器で殴ったようなセリフよく言えたな!

ほら、今にもここから追い出されそうだよ!

小鳩イラっとしてるよ!!

「あれ?今日は小鳩くんお友達いっぱいね」

「友達じゃっ」

琴ちゃん先生…!

ナイスタイミング…!!

琴ちゃん先生が職員室から戻って来た、その瞬間空気が変わる。琴ちゃん先生の柔らかい空気に包まれて、ふわふわした空気が流れた。

「でもここ保健室だからね!」

クーラー完備でテーブルもある最高の空間、普段はケガとか体調不良とかじゃないと使えない。

小鳩がいることを理由に堂々とランチタイムしてた。

私が咲希もそらぴょんも誘ったんだよね、怒られるかな…!?

「他の子たちには内緒よ」

ピンと立てた人差し指を口元に持ってきて私たちににこっと笑った。

琴ちゃん先生なんてわかる先生…!

だからみんなに好かれて、人気なんだよね。いつだって味方してくれるから。

「私も混ぜてよ~、お弁当だから」

「混ざってよ混ざってよ!琴ちゃん先生も一緒に食べよ!」

ひとつ余っていたイスを差し出して、私と小鳩が向かい合う間のお誕生日席に琴ちゃん先生を呼んだ。
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