恋の♡魔法のチョコレート
ぜひ、ぜひ、ぜひ!


文化祭では小鳩にチョコレートを作ってもらおう!


と思いながら家庭科室へ向かった。

駆け足で来たけどイスの上に小鳩のスクールバッグが置いてあるだけで誰もいなかった。

そらぴょんと部長はまだ来てないのかな…

机の上にはチョコレートが並べてあった。

見てわかる、小鳩が作ったチョコレートだ。

「………。」

アルミカップに流されたチョコレートの上にナッツが散りばめられ、そのナッツさえも計算されているように見えるチョコレートは小鳩の繊細さがよく表れてる。

ほんと、いつ見てもキレイだなぁ。

チョコレートに見とれちゃうってあるんだな。

じーっと目が離せない。

覗き込むように近付いて見ていた。

「君、1年生?」

空いた窓から声がした。

え、この声…

知ってる声、憧れた声だ…!

パッとチョコレートから視線を変えた。

「…!」

窓からこっちを見てる。

オージ先輩…!!

オージ先輩だ…っ!!!

「森中ちゃんいない?」

えっ、わっ、やばっ 話しかけれてる!

私にだよね!?

だって目合ってるもんね!?

「あれ?森中ちゃんてチョコ研だよね?」

「は、はいっ!そうです!」

テンパっちゃって変なとこから声出ちゃったかも。完全に裏返ってる。

「まだ来てない?」

「そっうですね、まだ来てないです!」

「そっかー、じゃあどうしよっかな~」

んーっと考えながら数秒、私の心臓はこの上なくドキドキしてる。いや、バクバクしてる。

「待っててもい?」

「!」

声になんてなるわけなくて、私が答える前にオージ先輩は家庭科室のドアを開けた。

お邪魔しまぁーすってツカツカと歩いてくる。

わーわー、どうしよう。

もう一度視線をチョコレートに戻した。

心臓がうるさすぎてオージ先輩の顔見れないよ。

「君も、チョコ研?」

「あ、はい!そうです!」

「そっかー、中森ちゃんいつ来るかわかる?」

「え、いや…それは、わかりません」

「だよねー」

同じ2年生、オージ先輩と接点あったんだ。

いいな羨ましい、…羨ましいって思ったけどいざこんなに近いとどうしたらいいかわからない!
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