恋の♡魔法のチョコレート
そらぴょんの手を取って両手でぎゅっと握った。

「私応援するよ…!」

「え、あ…ありがと」

やばい、ほろっと来ちゃう。

愛しみ感じる~~~!

「俺も、メリーのこと応援してるよ」

にこっと笑うそらぴょんと目を合わせた。

そっか、前にそんな話したもんね。

もうわかっちゃってるよね、好きな人が誰とは言ってないけど私に好きな人がいることぐらいわかってるよね。


“メリーと同じ理由だよ♡”


「ゆいぴーが好きでチョコ研入ったんだろ?」

「………え?」

今のはたぶん濁点も付いてたかな。
“え”に濁点付いてた。
そんな発音だった。

「違うけどっ!!!」

「え、そーなの?てっきりゆいぴーのことが好きなんだと思ってた」

ケロッとした表情で私を見る目は本当にそうだと思ってたんだと思う。
 
どこでそう思われたかわかんないけど違うし!全然違うし!

「私は小鳩が作ったチョコレートが欲しくて!」

サッとそらぴょんから手を離した。

「あ、魔法のチョコレートだっけ?そんな噂あるよね」

思ってたのと違う、うっすい反応だった。

「…そらぴょんもそれが欲しくてチョコ研入ったんじゃないの?」

「えー、そこまで考えてないよ~!ジンクスは知ってるけど、だって回りくどくない?」

「恋する乙女は繊細なの…!」

そら強気に部活に乗り込んでる来るそらぴょんにはわからないかもしれないけど、好きな人に近付くのは勇気がいるんだもん。
私がどれだけ魔法のチョコレートに賭けて来たか…っ

「俺は素直にぶつかった方がいいって思ってるから!」

「本人目の前にして喋れないそらぴょんに言われたくない!」

「ねぇーーーーーっ、それ本当にどうしたらいい!?何話せばいいの!?今日だって一緒にジュース買いに行こうって言われて超テンパったよ!結局いい天気ですねなんて、困った時の会話第1位の会話しちゃったよ!」
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