結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
第二章 愛と罪を背負いながら


カーテンを閉め忘れた窓から、強い朝日が差し込む。

目を開けると、窓の外に真っ青な海が広がっていて、ここが海上であることを思い出した。

「私……」

ふと横を見れば男性が寝息を立てていて、息が止まりそうになった。肌がけがかかってはいるが、その下は裸だ。私も同じく、布を一枚、纏っているだけ。

「ん……菫花?」

彼がゆっくりと目を開ける。

ライトのもとでは漆黒に見えた瞳が、朝の光を浴びると深いブルーが混じっているように見え、なんて美しいのだろうと惹きつけられた。

「理仁さんは、純粋な日本人ですか?」

「そうだけど、突然どうしたの?」

「目がすごく綺麗だったので」

私がその瞳をじっと見つめていると、彼は驚いたのか「相変わらず菫花はマイペースだな」と苦笑した。

「体も……まるで『アダム』みたい」

「え、誰?」

「宗教画です。『アダムの創造』ってご存じありませんか? アダムは筋肉がしっかりついていて、とても男らしい体つきをしているのですが、裸だから目のやり場に困ってしまって……」

理仁さんは、ははっと声をあげて笑った。

「まさか西洋の絵画に例えられるとはな」

「褒めたつもりなんですが――」

「知ってる」

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