結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
「私のこと『も』って。俺だって遊び人じゃない。君が初めてなのはよくわかったし」

体を重ねているときも熟練度とやらを探っていたのだろうか。恥ずかしくて頬が熱くなる。

「まずは着替えないと。スーツ姿じゃ朝食にも行けない。それからシャワーも」

理仁さんが上半身を起こし、ベッドを出ようとする。

部屋を出ていってしまう――不安を覚えた私は、咄嗟に手を伸ばしてしまった。

腕を掴まれた彼は、不思議そうな顔で振り向く。

「菫花?」

「……えっと、その」

なんていえばいいのだろう。

もっとそばにいてほしいと言えばいい?

また会ってくれるか聞けばいいかしら。でも、嫌と言われたらどうしよう。

理仁さんの手を握ったまま思い悩んでいると、彼がふっと眼差しを緩めた。

「それぞれシャワーを浴びたら、一緒に朝食を食べに行こうか」

私はパッと目を輝かせる。

「はい!」

私の気持ちを察して言ってくれたのだろう。彼の女性に対する熟練度の高さを思い知った気分だ。



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