結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
理仁さんは自身の車の後部座席にチャイルドシートを取り付けてくれた。そこに杏花を乗せ、その隣に私が座る。
彼は運転席に着き、ナビを設定した。目的地は遊園地だ。
「車を出してくれて、本当に助かりました」
この大荷物にベビーカーだ、電車だったら困ったことになっていただろう。日曜日とはいえ朝はそれなりに混雑している。
しかも移動中、杏花がおとなしくしてくれる保証はない。電車から降りたがるかもしれないし、ぐずって泣きだすかもしれない。
「普段、杏花は車に乗らない?」
「はい。車は初めてかも……」
「じゃあ安全運転で行こう。酔ったら大変だ」
理仁さんは急停車、急発進をしないように、最大限気をつけて運転してくれる。
杏花は酔うどころか、初めての車移動にわくわくしっぱなしで、都心のビルを見ては「ママ、おっきいびゆ」と目を丸くし、珍しい車が通っては「ばす! きゅきゅしゃ! ぱとか!」と声をあげていた。
「二歳半だと、結構しゃべるんだな。先週、菫花と話していた内容も、なんとなく理解していたのかな……」
杏花の前で込み入った話をしたと反省しているのか、理仁さんが悩ましい顔をする。
彼は運転席に着き、ナビを設定した。目的地は遊園地だ。
「車を出してくれて、本当に助かりました」
この大荷物にベビーカーだ、電車だったら困ったことになっていただろう。日曜日とはいえ朝はそれなりに混雑している。
しかも移動中、杏花がおとなしくしてくれる保証はない。電車から降りたがるかもしれないし、ぐずって泣きだすかもしれない。
「普段、杏花は車に乗らない?」
「はい。車は初めてかも……」
「じゃあ安全運転で行こう。酔ったら大変だ」
理仁さんは急停車、急発進をしないように、最大限気をつけて運転してくれる。
杏花は酔うどころか、初めての車移動にわくわくしっぱなしで、都心のビルを見ては「ママ、おっきいびゆ」と目を丸くし、珍しい車が通っては「ばす! きゅきゅしゃ! ぱとか!」と声をあげていた。
「二歳半だと、結構しゃべるんだな。先週、菫花と話していた内容も、なんとなく理解していたのかな……」
杏花の前で込み入った話をしたと反省しているのか、理仁さんが悩ましい顔をする。