結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
汽車を降りたあとはメリーゴーラウンド。
理仁さんが撮影係を引き受けてくれた。かぼちゃの馬車に乗る私と杏花を携帯端末で撮ってくれる。
「ほら。よく撮れた」
携帯端末の画面には、笑顔でピースをする私と杏花の姿。
思えばいつもカメラマンは私で、被写体は杏花だけだった。ふたり並んでいる写真はどこか照れくさく、それでいて嬉しい。
次に向かったのは観覧車。杏花は一番上からの景色に夢中だ。ちょっぴり怖いのか、理仁さんの腕にしがみついている。
私は周囲を見回しながら、ふと疑問を口にした。
「このテーマパーク、行列で有名だったはずですけど、今日はずいぶん空いていますね」
日曜日の割には妙に人が少ない。これも人気のアトラクションのはずなのに待ち時間がほとんどなくて、少し異様な気がするのだが……。
「今日は特別優待デーだからね」
「優待デー……?」
「株主やスポンサーの中でも、アッパークラスと呼ばれる一部の人たちだけ招かれる日なんだ」
アッパークラス――日本語に直訳すると『上流階級』。
理仁さんが撮影係を引き受けてくれた。かぼちゃの馬車に乗る私と杏花を携帯端末で撮ってくれる。
「ほら。よく撮れた」
携帯端末の画面には、笑顔でピースをする私と杏花の姿。
思えばいつもカメラマンは私で、被写体は杏花だけだった。ふたり並んでいる写真はどこか照れくさく、それでいて嬉しい。
次に向かったのは観覧車。杏花は一番上からの景色に夢中だ。ちょっぴり怖いのか、理仁さんの腕にしがみついている。
私は周囲を見回しながら、ふと疑問を口にした。
「このテーマパーク、行列で有名だったはずですけど、今日はずいぶん空いていますね」
日曜日の割には妙に人が少ない。これも人気のアトラクションのはずなのに待ち時間がほとんどなくて、少し異様な気がするのだが……。
「今日は特別優待デーだからね」
「優待デー……?」
「株主やスポンサーの中でも、アッパークラスと呼ばれる一部の人たちだけ招かれる日なんだ」
アッパークラス――日本語に直訳すると『上流階級』。