結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
そこは豪華絢爛という言葉がぴったりだった。

バロック様式を模した内装は宮殿のよう。精緻な彫刻と絵画で彩られた壁は、豪奢なシャンデリアの光を受けてゴールドに輝いている。

派手かなと心配していたイブニングドレスは、周囲にうまく溶け込んだ。

真っ赤な絨毯の上に、ルーレットやカードゲームに興じるテーブルが複数配置されている。

ルーレットの卓に座った私はテーブルに現金を置いた。

すかさずブラックのベストを着た女性ディーラーが現金を回収し、専用チップに交換してくれる。

顔には出さないように気をつけてはいるが、すごくドキドキしている。

「Place your bets.(賭けてください)」

合図を受け、私はベッティングエリアにチップを置いた。

ディーラーは、クールな表情でルーレットのホイールにボールを回し入れ、スピードが落ちる前にベルを鳴らす。

「No more bets.(受付終了です)」

ドキドキが加速する。

ボールが数字のポケットへ。ディーラーは当たった数字の上にマーカーを置き、ベッティングエリア上のチップを回収していく。

私を含め、賭けに勝利した人間の前にコインが積みあがった。

「やったわ……！」
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