美しきハイスペ御曹司は、今日も彼女を溺愛する
「…………君達“また”やったね。
僕の季帆ちゃんを傷つけた」

「あ…私達は……」

「もういいよ」

「え……」


「とりあえず“これ”と一緒に地獄に落ちてね」


顎で、男を指す神威。

「か、神威くん!ごめんなさい!!」
「十河さんにも、謝るから!!」

「は?」
更に黒く落ち、睨み付ける神威。

「か、神威く……」

「“謝る”って言って、季帆ちゃんを騙したんじゃん。
なのにこの期に及んで、よく同じこと言えたな?」

「………」

「もうすぐ、僕の“元”仲間がくる。
そいつ等と楽しんでよ」

「え?」

「季帆ちゃんにしようとしたことを、奴等としなって言ってるの。
……………いい?
もう二度と、季帆ちゃんを傷つけないで。
二度と、季帆ちゃんの前に現れないで。
次はないからね」

神威が個室から出ていき、入れ違いに神威の“元”仲間達が入ってきた。
女子学生達は、その男達にいいようにもてあそばれたのだった。


神威は、自宅マンションに戻る。
寝室のベッドに季帆が横になっていて、ベッド脇に腰掛け頭を撫でた。

「ごめんね、季帆ちゃん。
一人で行かせるんじゃなかった。
もう…離さないから」


そして神威は、季帆に同棲を提案したのだった。
「ずーっと一緒にいようよ?
そしたら、今回みたいな思いさせずに済む。
不安なんだ………
季帆ちゃんが、僕と離れてる間に傷つけられてないかなって!」

最初は戸惑っていた季帆。
神威は必死で説得し、二人は約一ヶ月前に同棲を始めたのだ。




「━━━━━そういうこと!」

「もう、片時も離れたくないと思ったんだ。
だから、少し強引に同棲を始めたの」
神威は、少し苦しそうに微笑んだ。

「そこまで、十河ちゃんのこと……」

昌磨の言葉に、神威は大きく頷く。


「だとしたら……神威。
“あの事も”十河ちゃんに話さないとな!」


大成の言葉。
神威は、黙り込んだ。

「季帆ちゃん、きっと嫌うよね?僕のこと」
「そんなの、わかんねぇだろ?」

「どうしてそう言いきれるの?」

「十河ちゃんだって、お前を好きだから」
「は?」

「あのさ!
言っておくが!
“西洞院 神威”と付き合うって、そーとーな覚悟が必要なんだぜ!
お前は人気者だし、御曹司だし……
そんな十河ちゃんが、簡単に嫌うなんてないと思う」

昌磨が、真剣に見つめていた。

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