美しきハイスペ御曹司は、今日も彼女を溺愛する
大成「━━━━━あ、既読になった」
昌磨「やっとかよ!?(笑)」

神威「じゃあ僕、季帆ちゃんのとこに行く!
絶対、ナンパされるに決まってるから!」
吸っていた煙草を、灰皿に潰し向かおうとする。

乱磨「じゃあ、俺も~!」

神威「………」
乱磨を無言で睨み付ける。

乱磨「なんだよ!」

神威「やめてよ。
気安く、僕の季帆ちゃんにちょっかいかけるの」

乱磨「ちょっかいかけるつもりねぇよ?」

神威「は?」

大成「まさかの、本気なの?乱磨」

乱磨「………」
昌磨「そのまさかみたいだぞ(笑)」

神威「は?冗談でしょ?」

乱磨「冗談じゃねぇよ?」

神威「やめてよ」

乱磨「いいじゃん!
別に、神威から奪おうなんて思ってねぇよ?
神威から、奪えるとか思ってねぇし。
もう、痛いのは勘弁だし(笑)」

神威「どうだか…!」
乱磨「ただ…」

神威「何!?」
乱磨「想うのは、勝手だろ?」
乱磨の顔が切なく歪む。
こんな乱磨、見たことがない。

神威「乱磨…」

昌磨「━━━━━はい!!もう、終わり!!
早く、行こうぜ!」
大成「ほらほら!せっかく来たんだからさ!」

昌磨と大成が、神威と乱磨をなだめ四人は更衣室前に戻った。


一方の、季帆と若那。
若那「━━━━━ちょっ…しつこい!!
そこ退いて!!」

「だって、彼氏いないじゃん!」
「遊ぼうよぉ~」

若那「もうすぐ来るわよ!!」
季帆「………」

ナンパなんて初めての季帆。
もちろん、自分にではなく若那に声をかけてきたのはわかっている。
でも、初めての体験に恐怖を感じていた。

季帆(神威くん、早く来てー
あ、そ、そうだ!
神威くんに、電話!)
若那の後ろに隠れて季帆は、神威に電話をかけた。

神威『季帆ちゃん!?ごめんね、もうすぐ━━━━━』
季帆「神威くん!若那ちゃんがナンパされてて、なかなかひいてくれないの!
それに、なんだか怖くて……
神威くん、早く来━━━━━━」

「なーにやってんの~?」

ナンパ男の一人が、季帆の顔を覗き込んできた。
季帆「ひっ!?」
「君も、遊ぼ?」

季帆「あ…あ…」
まさか、自分に声をかけてくるとは思っていなかった季帆。
突然の出来事に、声が出なくなる。

季帆(神威くん、助けて!!)
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