美しきハイスペ御曹司は、今日も彼女を溺愛する
沢山の人々が行き交う、街中。
二人はしっかり手を繋ぎ合い、ゆっくり前に進む。
「凄いね、人の多さ…」
「だね…
フフ…季帆ちゃん、ちっちゃいから潰されそうになってる(笑)」
「た、確かに…(笑)
息苦し…(笑)」
「手、離さないでね!」
「うん…
……………」
(手、離したら……どうなるのかな?
………お仕置きって、どんなかな?)
「………」
(手、離してみようかな?)
ゆっくり手をずらし、外そうとする。
すると、ギュッと更に握られた。
「季帆ちゃん、ちゃんと僕の手を握ってて?
離れそう……!」
「あ、う、うん」
(やっぱ、ダメだ…
お仕置きって、怒らせるってことだし……
もし、嫌われたら……)
考えただけで、恐ろしい。
季帆は、身体を震わせた。
「季帆ちゃん、渡るよー!」
いつの間にか横断歩道まで歩いていて、信号が青になっていた。
少し足早に歩く。
スクランブル交差点なので、一斉に沢山の人々が歩く。
季帆は、更にもみくちゃになる。
「わわ…」
(ヤバ……これ、手…離れそ━━━━━)
すると大柄の男にドン!と押され、手が離れた。
「え………」
そのまま季帆は、人々に押されるように横断歩道を渡った。
「神威くん?
…………え?嘘!?い、いない……」
本当にはぐれてしまう。
「え?なんで!?
ついさっき、手が離れたばっかなのになんで見当たらないの!?
と、とにかく電━━━━━」
「君、一人ぃ?」
「え?」
突然、酔っぱらい男に声をかけられた季帆。
動けなくなる。
手から、スマホがカシャンと落ちた。
「可愛いね~!
そこ、俺の知り合いのbarがあるんだぁ。
一緒に行こ?」
ガシッと手を掴まれた。
「離し…て…」
弱々しく、震える声しか出ない。
季帆は、引っ張られるまま連れていかれた。
男の知り合いbarに入ると、更に多くの男達が酒を飲みながら騒いでいた。
「誰~?この子」
「そこでナンパしてきた~」
「へぇー!結構可愛いじゃん!」
違う男が季帆の顔を覗き込む。
季帆の震えは更に酷くなっていく。
“逃げなきゃ”と思うのに、身体が全く動かない。
声も、出てこない。
悔しい━━━━━
“強くなりたい”と願っておきながら、結局何もできない。
自分が惨めで、情けなくて涙がつたう。
「泣いてるぅー」
「可愛い~」
「大丈夫!優しくするよ?」
「俺達、紳士だから(笑)」
「ほんとかよー(笑)」
ギャハハと汚ない笑い声が響いていた。
二人はしっかり手を繋ぎ合い、ゆっくり前に進む。
「凄いね、人の多さ…」
「だね…
フフ…季帆ちゃん、ちっちゃいから潰されそうになってる(笑)」
「た、確かに…(笑)
息苦し…(笑)」
「手、離さないでね!」
「うん…
……………」
(手、離したら……どうなるのかな?
………お仕置きって、どんなかな?)
「………」
(手、離してみようかな?)
ゆっくり手をずらし、外そうとする。
すると、ギュッと更に握られた。
「季帆ちゃん、ちゃんと僕の手を握ってて?
離れそう……!」
「あ、う、うん」
(やっぱ、ダメだ…
お仕置きって、怒らせるってことだし……
もし、嫌われたら……)
考えただけで、恐ろしい。
季帆は、身体を震わせた。
「季帆ちゃん、渡るよー!」
いつの間にか横断歩道まで歩いていて、信号が青になっていた。
少し足早に歩く。
スクランブル交差点なので、一斉に沢山の人々が歩く。
季帆は、更にもみくちゃになる。
「わわ…」
(ヤバ……これ、手…離れそ━━━━━)
すると大柄の男にドン!と押され、手が離れた。
「え………」
そのまま季帆は、人々に押されるように横断歩道を渡った。
「神威くん?
…………え?嘘!?い、いない……」
本当にはぐれてしまう。
「え?なんで!?
ついさっき、手が離れたばっかなのになんで見当たらないの!?
と、とにかく電━━━━━」
「君、一人ぃ?」
「え?」
突然、酔っぱらい男に声をかけられた季帆。
動けなくなる。
手から、スマホがカシャンと落ちた。
「可愛いね~!
そこ、俺の知り合いのbarがあるんだぁ。
一緒に行こ?」
ガシッと手を掴まれた。
「離し…て…」
弱々しく、震える声しか出ない。
季帆は、引っ張られるまま連れていかれた。
男の知り合いbarに入ると、更に多くの男達が酒を飲みながら騒いでいた。
「誰~?この子」
「そこでナンパしてきた~」
「へぇー!結構可愛いじゃん!」
違う男が季帆の顔を覗き込む。
季帆の震えは更に酷くなっていく。
“逃げなきゃ”と思うのに、身体が全く動かない。
声も、出てこない。
悔しい━━━━━
“強くなりたい”と願っておきながら、結局何もできない。
自分が惨めで、情けなくて涙がつたう。
「泣いてるぅー」
「可愛い~」
「大丈夫!優しくするよ?」
「俺達、紳士だから(笑)」
「ほんとかよー(笑)」
ギャハハと汚ない笑い声が響いていた。