美しきハイスペ御曹司は、今日も彼女を溺愛する
「大丈夫?十河ちゃん」
「はい。コーヒー」

昌磨と大成が、心配そうに季帆に言った。

「あ、ありがとう…」
大成からコーヒーを受け取り、両手で包み込んだ。

「災難だったね」
「あ、でも…きっと災難なのは、あの人達だよね…」
今頃、神威と乱磨にボコボコになぶられているに違いない。
「まぁ、でも。
自業自得だろ?」


「━━━━あ、あの…」
「「ん?」」

季帆は、昌磨と大成を見上げる。

「どうすれば、強くなれるかな?」

「え?」
「十河ちゃん?」

「私が、もっと強かったら…神威くんを傷つけなくて済む」

「強くなりたいってのは、力?それとも精神的なもん?」

「え?えーと…どっちも、かな?」

「例えば力なら、鍛えたりすればそりゃあ強くはなるよ」
「まぁ、そうだな!」
「でも、十河ちゃんは所詮“女”だよ?」

「え?」

「十河ちゃんが、今から格闘技を習うとするじゃん?」
「うん」
「確かに“今よりは”ナンパとか回避できると思う。
でも、それでも俺は……十河ちゃんを連れ去る自信がある」
昌磨が季帆を見据えていった。

「え……」

「俺も!」
大成も、大きく頷く。

「どう…して?」

「だって、やっぱ力では女は男に勝てないもん」
「俺達に、力がなけりゃわかんないよ?
でもどんなに弱い奴でも、やっぱ男と女じゃ身体の造りが違うから」

「精神的なもんも、そうだよ。
十河ちゃんを今から犯せって言われたら、簡単に犯せるよ俺。
精神的にも、落とすことはできる自信がある。
心の弱いとこに触れればいいわけだし。
神威に聞いたけど、一度男達にヤられそうになったんだよね?」
季帆が頷く。

「だから十河ちゃんは、神威に守ってもらいなよ!
あいつ、いつも言ってるよ?
“僕が季帆ちゃんを守る!それは、僕の特権”って!」

昌磨と大成が、微笑んでいた。


「━━━━━季帆ちゃん!!」
神威が、barから出てきた。
駆け寄り、抱き寄せた神威。
季帆も背中に腕を回した。

そして、昌磨や大成、乱磨と別れゆっくり家路を歩く二人。
「あの人達、どうなったの?」
「うーん。せっかくだから見せしめになってもらった」

「そう…なんだ……」
「季帆ちゃんが、責任感じることじゃないからね?」

「ごめんね。
元はと言えば、手が離れたのが悪いよね…」
「ううん。僕も、イベントを甘くみてたから」

「あんな、流されるなんて思わなかった。
あっという間に、神威くんが見えなくなって……」
「そうだね…
…………でも…季帆ちゃん」
「ん?」


「━━━━━━お仕置き、していい?」
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