美しきハイスペ御曹司は、今日も彼女を溺愛する

季帆の両親は最初こそ戸惑っていたが、神威の誠実な態度に受け入れ“娘をよろしくお願いします”と頭を下げた。

｢━━━━━素敵な両親だね！
季帆ちゃんの両親って感じ！｣

｢ごく普通だけど(笑)｣

｢でも、温かかった！｣
｢そうかな？｣

｢季帆ちゃんみたいに、温かい！｣
季帆を抱き締める。

｢………ゆっくり、神威くんの両親とわかり合えたらいいな……
時間がかかっても…｣
季帆も神威の胸に顔を埋めて言った。

｢うん…｣
二人は、しばらく抱き合っていた。


それから季帆は、休学届けを出した。
出産して、落ち着いてから復学する予定だ。

｢まぁ、単位はほとんど大丈夫だけどね。
このまま大学に行ってても良さそうだけど、身体の方が大事だから！｣
神威は普通通り大学に通い、卒業して父親の会社に就職するのだ。


そして、神威の過保護は、更に磨きがかかる━━━━━

｢━━━━━じゃあ、行ってくるね！｣
｢うん！気をつけてね！｣

｢絶対！マンション出ちゃダメだからね！｣
｢うん｣

｢今日の検診は、僕が大学から帰ってから一緒に行こうね！｣
｢うん｣

｢何かあったら、すぐに僕に連絡してね！｣
｢うん。神威くん、大丈夫だから！
早く行かないと、遅れちゃうよ？｣

朝からかなりの心配をして、出ていくのだ。



｢━━━━━今日も、順調だったね！｣

検診で、順調に育ってると聞いて安心して帰ってきた二人。
｢まだ見た目ではわかんないから、赤ちゃんの心臓の音聞くと実感するなぁ｣
｢そうだね！
ここにいるんだね！僕達の赤ちゃん｣
神威に後ろから包み込まれている、季帆。
神威は、優しく季帆の腹に触れながら言った。

｢うん！
………………なんか…｣
季帆は、後ろから伸びてる神威の左手を握り言った。

｢ん？｣
｢大学生になるまでは、こんなの夢にも思わなかったなぁ……｣
｢フフ…｣

｢神威くんに告白されて、生まれて初めて恋人ができた。
何も知らなかった私に、神威くんが少しずつ教えてくれた。
沢山の想いを体験して、泣いて、苦しんで、笑って………
まさか……こんな…素敵な人と結婚できて、子どもまで授かれるなんて………｣

言いながら涙を流す季帆に、神威は後ろから覗き込み涙をぬぐう。