美しきハイスペ御曹司は、今日も彼女を溺愛する
また後日。

大学から帰ってきた神威に声をかける、季帆。
「神威くん」
「ん?なぁに?」

「明日、お出かけしてきてもいい?」
「は?」
あからさまに神威の雰囲気が変わった。

「高校の時の友達に、久しぶりに会おうって連絡が来たの。
それで、プチ同窓会ってゆうか…行きたいなって」

「その身体で行くの?」

「その身体って…
私は、病気じゃないよ?
ほら!坂野(さかの)先生(産婦人科の医師)だって、もう…少しずつ散歩したりして身体を動かしなさいって言ってたでしょ?
友達と会う場所も、駅ビル内のイタ飯だし…」

「………」
考え込む、神威。

「神威くん、お願い!」

「………わかった。いいよ」
「ほんと!?良かった!」

「ちなみに、何ていうイタ飯?」
季帆は、スマホの画面を見せた。
そしてそれを神威にシェアした。



そして当日━━━━━

「━━━━━━季帆、今何ヵ月?」
「えーと……9ヶ月だよ!」

「そっか!もうすぐじゃん!
まさか、私達の中で季帆が一番に結婚するなんてね~!」

「そうだよね(笑)」


「………それでね?今日は、季帆にサプライズがあるの~!」
「えー(笑)何、何?(笑)」

「待ってね!もうすぐ、来ると思━━━━━あ!来た!」
友人が、ドアを方を見て言った。

「え?何━━━━━え……
……………沖館(おきだて)くん?」

沖館は、高校の時季帆がひそかに憧れていた男子だ。

「ごめん、遅くなって!
……………もしかして、十河?」
「え?あ、うん!」

「久しぶりだな!」
「うん」

季帆は、沖津を見ながら“相変わらず、カッコいい!”と思っていた。

しかし━━━━

(でも、どうしてかな?
あんま、ドキドキしない……)

季帆には、素敵な旦那がいる。
やはり、神威くんへの想いは本物なんだと感じていた。

変な話だが、沖津に再会して“神威への愛情”を再確認していた。
< 40 / 42 >

この作品をシェア

pagetop