美しきハイスペ御曹司は、今日も彼女を溺愛する
“季帆ちゃん、大切な話があるんだ”

その日の午後、神威は季帆を自宅マンションに連れ帰った。
ソファに並んで座り、神威は季帆の手を両手で包み込んだ。

「神威くん?」

「季帆ちゃん、僕のこと好き?」

「え?うん」

「僕は、大好き!
こんなこと言うと、退くかもしれないけど……
季帆ちゃんと、結婚したいなってくらい」

「え……」

「だからね。
絶対、別れないからね」
真剣な視線で見つめ、意味深に言った。

「え?神威…くん?」

「“別れろ”って言われたんでしょ?」

「━━━━━!!!?
どうして、それを……」

「どうして、相談してくれなかったの?」

「そ、それは……」

「僕、頼りないかな?」
切なく、神威が項垂れる。

「そんなことない!!
私が、嫌がらせされてるなんて知ったら、神威くんが傷つくんじゃないかと思って!
だから……“別れよ”って言おうとしたの。
…………でも…言えなかった……」
季帆は包み込まれた手から自身の手を抜き、神威の頬を包み込んだ。

「私も……その…/////
好きだから……!
神威くんのこと、大好きだから!
だから、離れたくなくて言えなかった……!」

「季帆ちゃん…」
神威は、頬を包み込んでいる季帆の手に自身の手を重ねた。

「ごめんなさい」
季帆の目から、涙が落ちる。

「………ううん」
神威が優しく季帆の目元を拭い、ゆっくり首を横に振った。

「ごめんなさい」
「もう、いいよ。
…………その代わり、今度からは辛いこと何でも話して?
僕は、季帆ちゃんの為なら何でもしてあげるよ?」

「うん…ありがとう!」



そして、数日後━━━━━━━

「━━━━━謝りたい?」
「うん。だから、今日一緒にお茶しよって誘われたの」

「僕は、信用できないよ」

「でも、せっかく謝ろうとしてる人を断るのは………」

季帆に嫌がらせをしてきた学生から“謝りたい”と言われた季帆。
「だから、今日は別々に帰ろ?」

基本的に二人は、常に一緒にいる。
当然、登下校も一緒だ。
その為季帆は、神威に断りをいれようとしていた。

「………わかった」
しばらく考えて、不本意そうに神威は頷いたのだった。
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