謎多き旦那様の嘘、または秘密

旦那様は基本的に正直で、知らないことには知らないと答える。

「外の公園でアイスを食べるのが好きだと言っていた」
「え、一緒に食べてたの?」
「いや」

公園でアイスを食べる旦那様の方が想像出来ない。いつもお面が邪魔をする。

この前意を決して「お面外しません?」と訊いたら、

「僕の顔を見ると百年に一度の厄災が起きる」
「どんな大妖怪ですか」

という、やりとりをしたばかりだ。

どうしても顔が見たかったわけでも無ければ、顔を見たからといって何かを思いだす確証も無かった。

ただ単純に、気になったから聞いてみた。

旦那様はきちんと答えてくれるから。

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