謎多き旦那様の嘘、または秘密
ギプスが外れる頃にはベッドの周りに私の暇つぶしが溢れ返っていた。美味しそうなお菓子から今流行りのゲーム機まであった。ちなみに私はゲームがとても下手で、横で観戦していた旦那様が失笑するくらいだった。
漏れた笑い声が愛おしい。
リハビリを兼ねて部屋の中を歩き回っていると、扉が開いて旦那様が帰ってきた。
「おかえりなさい」
「……ただいま」
未だにその間はとれない。
じゃれつく猫みたいに周りをウロウロすると、肩を掴まれてベッドへと戻された。
じっと狐面を見つめる。
ふい、と顔を逸らされる。