謎多き旦那様の嘘、または秘密


私は家の中にいた。
今の家と同じ場所。

ただ、頬が床についていて、ベッドが傍にあるのに床で眠っていた。

身体中が痛い。

私は本当に駄目な人間で、だからいつも怒られる。
卵も割れないし、言われたことも禄に出来ないから。

だから。

窓の外から入る光が赤かった。
美しいと思った。

美しいと思える感情は死んでない。

私の中の、色んな感情が生きていく中で死んでいってしまったけれど。

涙が溢れては零れて流れていく。

自分が悲しくて泣いてるのか、嬉しくて泣いているのかも分からない。

< 33 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop