目は口ほどに物を言うと言いますが 〜筒抜け騎士様は今日も元気に業務(ストーカー)に励みます〜
その男、ストーカーにつき
その日、読書が趣味のアメリアはアマンダと共に国立図書館に足を運んでいた。
最近恋愛ものの小説が流行っていると小耳に挟んで興味を持ったけれど、自分で買うのはなんだか気恥ずかしくて、一度どんなものかだけでも見てみようと思って探しに来たのだ。
さすがは国立図書館。
所蔵している本は数え切れないほど。
棚の上から下までびっちりと本で埋まっている。
何百年もの歴史を持つ本もあるけれど、どれもきちんと手入れされていることがよく分かる。
静かで穏やかな図書館特有の雰囲気が、アメリアは好きだった。
「アマンダ、私は上を見てくるわ」
「かしこまりました」
このままだと日が暮れてしまうからと、手分けして探すことに決めた二人。
アメリアは四階まで階段を上る。
デスクで読書に耽る老人が数人いるぐらいであまり人はいなかった。
(あ、)
物音を立てないようにしながら本棚の間を見て回っていると、元々探していたものとは違う、少し気になる背表紙を見つけてしまった。