目は口ほどに物を言うと言いますが 〜筒抜け騎士様は今日も元気に業務(ストーカー)に励みます〜
自分が人々の噂の種になっているなんて露知らず、艶々ときらめく金髪を風になびかせ、美しく成長したアメリアが自室の窓から顔を覗かせた。
青いビー玉のような瞳に澄んだ空の色が映える。
信頼できる限られた者のみと交流しているアメリアにとって、そんな些細な噂に心を砕くよりも、日課の小鳥たちへの餌やりの方がよっぽど有意義で大事なことだった。
「いつか私にも素敵な出逢いがあるかしら……」
そんなアメリアの独白を聞いた小鳥たちは、彼女を慰めるように囀りを返す。
「ふふっ、慰めてくれてるのね。ありがとう。私もそろそろ行かなくちゃ」
小鳥たちにお別れを告げたアメリアは、うきうきと出掛ける準備を始める。
今日はエマと街に遊びに行く約束がある。
今流行りのお店でケーキを食べるのだ。
遅れるなんてことがあってはいけない。
彼女の親友は、時間と甘いものにうるさいのだから。
「アマンダ、ちょっと手伝ってくれないかしら」
窓を閉めて、レースカーテンをしゃっと閉じたアメリアは、着替えのために彼女のメイドを呼びつけた。