目は口ほどに物を言うと言いますが 〜筒抜け騎士様は今日も元気に業務(ストーカー)に励みます〜
約束の時間通り、待ち合わせ場所の時計広場に到着したアメリアは、エマはどこかしら? と辺りをきょろきょろと見回す。
「アメリア、こっちよ!」
すると、先に到着していたエマが、ぴょんぴょんと飛び跳ねながらよく通る声で名前を呼んだ。
今日は執事を連れてきていないらしい。
(きっとエマの執事がいたら、淑女らしくないって叱っていたに違いないわ)
無邪気な親友の姿を視界に入れたアメリアは、アマンダとくすりと笑いあった。
いつも変わらないエマの底抜けの明るさ。
アメリアがどれだけ彼女に救われているか、当の本人はきっと考えたこともないだろう。
駆け寄りたい気持ちを抑え、お淑やかなレディを演じるようにエマの元まで歩みを進めると、アメリアはほっと息を吐いた。
「昨日からずっと楽しみにしてたのよ、早く行きましょう」
「ふふ、そうね。エマがそこまで言うんだもの、私も楽しみだわ」
仲のいい二人は楽しそうに笑い合いながら、女性客で賑わうカフェに入っていった。