目は口ほどに物を言うと言いますが 〜筒抜け騎士様は今日も元気に業務(ストーカー)に励みます〜

 入口近くのショーケースには、まるで芸術作品のように綺麗に飾り付けられた色とりどりのケーキがずらっと列を成している。

 真っ赤な苺が乗った生クリームたっぷりのケーキが一番人気で、その隣にどっしり構えるチョコレートケーキも美味しそう。フルーツたっぷりのタルトは、ツヤツヤにお化粧されていて一際目を引く。

 見ているだけでワクワクする。

 席に案内されてメニューを眺めるけれど、アメリアもエマも優柔不断でなかなか決めることができない。


 「あぁ、もう全部食べた〜い」
 「太るわよ」
 「わかってるわよ。エイミーったら、いつからそんな意地悪言うようになったのかしら」


 やれやれと首を傾げて、お姉さんぶっているエマは放っておいて、アメリアはメニューをぺらぺらと捲り、さっさとどれにするか決めてしまう。


 「よし、決めたわ」
 「えー、早いよ! もうちょっと悩ませて」
 「はいはい、ごゆっくりどうぞ」

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