あの夜は、弱っていたから
「お前の理想って、どんな男?」
えっ…。
「優しくて、私だけを愛してくれる人」
「ふーん。居そうだけどな、そういう男はいっぱい」
私は、今まで男運がなかった。私がそうさせてしまっているのか、いつも浮気をされてしまう。
大学4年のクリスマス。私は浮気が発覚した彼氏と別れ、ひどく弱っていた。だから、あの時の私は、恋愛における判断を間違えたんだ。
「お前、結構いい女だけどな」
そう言って、私の頭を撫でる淳史。
「あんまり女に気軽に触ると、そのうち訴えられるかもよ?」
「それ、きついな。無職になっちまう」
くくっと笑う淳史から視線を逸らして、私はソルティドッグを飲み干した。
淳史にとって、私はただの大学からの仲の良い友達。
私にとってもそうだけど、実はちょっとだけ心の中で蓋をしていることがある。
私と淳史は、大学4年のクリスマス。一線を越えた。でも、たった3日で、私から淳史に別れ話をした。
もとの友達のままがいいって、お願いしたのだ。
それは、きっと恋人として長く続かないって分かっていたから。
今までで何人もいる元カノのという括りに入るのが怖かったから。
自分でももう気がついてる。ここでこうやってお酒を一緒に飲みたいと思えるのは淳史だから。
本当は頭を撫でられて、心の中では特別であればいいのにって思っていることも。
えっ…。
「優しくて、私だけを愛してくれる人」
「ふーん。居そうだけどな、そういう男はいっぱい」
私は、今まで男運がなかった。私がそうさせてしまっているのか、いつも浮気をされてしまう。
大学4年のクリスマス。私は浮気が発覚した彼氏と別れ、ひどく弱っていた。だから、あの時の私は、恋愛における判断を間違えたんだ。
「お前、結構いい女だけどな」
そう言って、私の頭を撫でる淳史。
「あんまり女に気軽に触ると、そのうち訴えられるかもよ?」
「それ、きついな。無職になっちまう」
くくっと笑う淳史から視線を逸らして、私はソルティドッグを飲み干した。
淳史にとって、私はただの大学からの仲の良い友達。
私にとってもそうだけど、実はちょっとだけ心の中で蓋をしていることがある。
私と淳史は、大学4年のクリスマス。一線を越えた。でも、たった3日で、私から淳史に別れ話をした。
もとの友達のままがいいって、お願いしたのだ。
それは、きっと恋人として長く続かないって分かっていたから。
今までで何人もいる元カノのという括りに入るのが怖かったから。
自分でももう気がついてる。ここでこうやってお酒を一緒に飲みたいと思えるのは淳史だから。
本当は頭を撫でられて、心の中では特別であればいいのにって思っていることも。