あの夜は、弱っていたから
それに、私は薄々気がついている。

淳史にとって、本当に大切な人は、トモだっていうこと。

絶対に手は出さないし、トモに対する接し方は、友達の私達とはまた違う。

だけど、トモはずっと片思いをしている人と結ばれた。

じゃあ、淳史はその気持ちどうするのかな。

冷蔵庫から麦茶を出して、乾いた喉に流し込む。

とりあえず、今日の合コンが勝負ね。











「大崎さん、連絡先、交換しません?」

合コンの帰り、呼び止められて、私もいいなと思っていた人と連絡先を交換することができた。

私は心の中で小さなガッツポーズをした。

家に帰ってから、連絡先を交換した石井肇さんにお礼のメールを送った。

〝もしよければ、今度2人でご飯食べに行きませんか?〟

メールの内容に、久々の恋愛モードに入る。

〝はい、喜んで〟

〝では、来週の金曜日はいかがでしょう。おすすめのホテルディナー行きませんか?〟

〝楽しみです〟

送信ボタンを押して、スマホをテーブルの上に置く。

石井肇さん。32歳。ちょっと年上だけど、IT企業に勤めていて、さわやかイケメン。地に足がついている雰囲気が滲み出てる人だった。

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