あの夜は、弱っていたから
遠ざかる一杯
『ごめん、涼ちゃん。今週の金曜は出張入って会えなさそう』
石井さんとお付き合いするようになって2ヶ月が過ぎたころのある水曜日、石井さんからメールが来た。
会えないなら、久々に飲みに行こうかな。
そういえば、淳史とも全然会えてなかったし。まあ、どっちみち彼女出来てたら来ないか。
カランッ
2ヶ月ぶりに聞くベルの音に懐かしさを感じる。
「よう。久々じゃん?」
先に来ていた淳史が、ウォッカを飲みながら私の方を向いて声をかけた。
淳史の顔を見て、ほっとしたのは、私しか知らない。
「うん。デートしてたからね。マスター、いつものお願いします」
ソルティドッグを待ってる間、淳史の隣に座って、薄手のコートを足元のカゴへと入れる。
「彼氏できたんだ?」
「うん」
「優しくて浮気しなさそうな奴?」
ウォッカの入ったグラスを揺らしながら尋ねた淳史。
「たぶんね。ちょっと年上だから大人の余裕もあるし」
「…年上ね。浮気するしないに年は関係ねえけどな」
不吉なことを言う淳史をキッと睨んで、テーブルに出されたソルティドッグを口に運ぶ。
「まあ、一歩進んだって感じか」
「そうね。そういう淳史は?この2ヶ月ずっとフリー?」
「いや、1ヶ月間だけいた」
「そうよね…。あんたが2ヶ月空くわけないか」
そう言うと、淳史は、くくくっと笑った。
石井さんとお付き合いするようになって2ヶ月が過ぎたころのある水曜日、石井さんからメールが来た。
会えないなら、久々に飲みに行こうかな。
そういえば、淳史とも全然会えてなかったし。まあ、どっちみち彼女出来てたら来ないか。
カランッ
2ヶ月ぶりに聞くベルの音に懐かしさを感じる。
「よう。久々じゃん?」
先に来ていた淳史が、ウォッカを飲みながら私の方を向いて声をかけた。
淳史の顔を見て、ほっとしたのは、私しか知らない。
「うん。デートしてたからね。マスター、いつものお願いします」
ソルティドッグを待ってる間、淳史の隣に座って、薄手のコートを足元のカゴへと入れる。
「彼氏できたんだ?」
「うん」
「優しくて浮気しなさそうな奴?」
ウォッカの入ったグラスを揺らしながら尋ねた淳史。
「たぶんね。ちょっと年上だから大人の余裕もあるし」
「…年上ね。浮気するしないに年は関係ねえけどな」
不吉なことを言う淳史をキッと睨んで、テーブルに出されたソルティドッグを口に運ぶ。
「まあ、一歩進んだって感じか」
「そうね。そういう淳史は?この2ヶ月ずっとフリー?」
「いや、1ヶ月間だけいた」
「そうよね…。あんたが2ヶ月空くわけないか」
そう言うと、淳史は、くくくっと笑った。