野良狼と野良少女
「叶野さんおはよう〜」
「おはよう」
「叶野さんまた同じクラスよろしくね〜」
3年B組の教室に入ると先に来ていた数人のクラスメイトの女の子たちが声をかけてくれた。
2人とも去年も同じクラスだった人だ。
まぁ、特に深い話をするほどの仲の良さではないけど。
…というか私友達いないし。
自分で言ってて少し悲しくなるけど残念ながら事実である。
「前に座席表あったけど、名前順だから叶野さん廊下側3列目の1番前だよ〜」
「ありがとう」
顔馴染みの子は普通に優しくしてれるし、用があったら声をかけてくれる。
友達はいないけど、いじめられてる訳でもないし居心地も悪くないと思ってるんだ。
こんな現状に満足してる女子高生も我ながらどうしたものかと思うけど。