野良狼と野良少女


ガチャ

「旺太ー、ゲームしよー」





「……っ!」

「ってぇ」





誰もいないと思っていたのに突然ドアがあくから、反射で一ノ瀬くんを突き飛ばす。

一ノ瀬くんが背中をソファ横の壁に強打していたけどちょっといったん無視させてほしい。




危ない、あとちょっと早ければキスしてるとこ…見られたかも…


もしそうだったらと考えると血の気が引く。





「てめぇらなんでまだいんだよ、ヤノも一葉も」


「なんでってなんだ、あみぽんの荷物もってこいって言ったのどこのどいつよ。おはようあみぽん、元気?…ってまだ顔赤くない?」


「ゆっくり休みな、旺太一人暮らしだし」




ヤノくんたちの様子からするに、特に何も見られていないようだった。


危ない…付き合ってもないのにあんなキスをされていた現場を見られていたら、どう思われていたことか。





< 118 / 240 >

この作品をシェア

pagetop