野良狼と野良少女




「平常心、平常心…」




周りに人がいないことをいい事に私は小さな声出そ呟いて深呼吸。




落ち着け羅奈。そもそもあれはもう3ヶ月も前のこと。

派手な生活を送ってそうな彼の頭は私のようなモブの記憶はないだろう。



というか、そうであってくれ。





“ 叶野羅奈はパパ活してる ” なんて噂が流れたら私の高校生活…いや、人生終わる。



ただでさえいない友達は絶滅しみんなに後ろ指さされて笑われて生きてくはめになる。


…うん、ちょっと本気で勘弁して欲しい。





ガタン

「…っ」




俯いていた私の隣の席に人が座った気配がした。


正真正銘右隣、オオカミこと一ノ瀬旺太くんの席である。




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