野良狼と野良少女
なんででしょう、そんなに泊めるき満々だったのかな。
でもさすがの私もね、付き合いたての彼氏と2人でお泊まりってのはさ、ほら。
まだ恥ずかしいわけで…というか、たぶん心臓もたないわけじゃん。
今この瞬間ですら夢と現実の狭間みたいなふわふわ感でいるんだから、一旦冷静にならないと。
いまだに明日の朝起きたら全部夢だった…なんて展開もあるかもと思ってしまうんだ。
「……寂しいの?」
「ばか。一人暮らしだから慣れてる」
「すぐバカって言うの良くないよ」
「お前もな。俺のうつってる」
「……否定はできない」
寂しくないなんていいつつも帰ると言った瞬間から私に体重を預けて寄りかかってきている一ノ瀬くん。
なんだ、かわいいとこあるじゃん。