野良狼と野良少女


「でぇ?もうさっそく擬似同棲開始ってか?」

「許さんぞ!俺は許さん!高嶺の花を汚す行為は!」



「…二人とも何言ってるの?」




同棲?むしり取る?何の話だ。


たしかに昨日は半日一ノ瀬くんの家で休ませて貰ったけど…




「昨日私夜帰ったよ?」





「「え?」」





首をかしげていう私に、2人はありえないと言ったように口をあんぐり開けて驚いた。



え、そんなに…?




「はぁ……」




挙句隣に座る一ノ瀬くんまで大きなため息をついて頭を抱えてしまった。

何故…?




「ぶはははは!旺太ざまあみろ!!」


「どうせ昨日泊める気満々だったんだろ?ぶはははは!ざまあー…ぶほっ!!」




大爆笑する一ノ瀬くんの握りこぶしがヤノくんのお腹に突き刺さった。


何やらご機嫌がナナメ…いやナナメどころかねじ曲がってしまったらしい。




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