野良狼と野良少女


「いいね、野良カップル。いや2人とももう野良じゃないか」


「…そもそも野良って何?」


「だってあみぽん野良猫っぽいじゃん。今まで群れる事もなく生きてたし」


「それは人見知りだからじゃん…」


「旺太も野生のオオカミだから、ほら。野良カップル」




一ノ瀬くんにはヤノくんと一葉ちゃんがいたのに、どこが野良なんだろうか。



他人を寄せつけないオーラかな。

たしかに野犬っぽさはあるけど。




「ほんとに人見知りなの?感じなかったけどなぁ」




それは一葉ちゃんが人見知りしないどころか、ぐいぐい来るタイプだったからだ。



一ノ瀬くんも、ヤノくんもそう。

今一緒にいれてるのは私が壁を作る前に突っ込んできてくれたから。



それはもうダンプカーのような勢いで。


最近仲良くなったって気がしないくらい落ち着く居場所を作ってくれている。




< 132 / 240 >

この作品をシェア

pagetop