野良狼と野良少女
「抱きついて…ごめんね」
「…そこじゃない気がするんだけど、鈍感」
「えぇ、じゃあなに?締め付けすぎた?寝相悪くて蹴っちゃったとか?」
「…は、もういいわ。おもしろいなお前」
再びわしゃわしゃーっと私の髪を掻き乱したかと思えば、一ノ瀬くんは起床。
あれ、てっきりもっとキスせがまれるかと…
「たぶんベッドの上でキスしたら止まらなくなる、今の俺」
「ぬ…!!」
「なにその新しい反応、ぬって何」
私の反応がツボにはまったらしく、珍しく大笑いのまま一ノ瀬くんは寝室を退出。
私も起きよう…
寝癖酷くないかな、というかとんでもない寝顔してたんじゃないかな。
見られてたと思うとゾッとする。
すっぴんだし寝ぼけてたし生まれつき寝相はよくないし。