野良狼と野良少女


「支払いスイカで」


「かしこまりました」


「え…?」





店員さんの声にレジに向きなおすと私が支払うはずだったレジで、知らない男の人がスマホをかざしてお支払いしている。





艶のある綺麗なブラウンの髪に、シルバーのピアスが揺れる。


どこか、雰囲気のあるその男の人に目を奪われてしまった。





「…って、350円!私が…」


「旺太のカノジョってほんと?あ、これ俺の奢りでいいよ」





はい、なんてチョコパフェを渡されて、チキンを頬張りながらコンビニの外に歩いていく祥太郎くんとその人に着いていく。




なぜ知らない人が奢ってくれたのか

そもそもこの人誰なのか


その疑問で私の頭はいっぱいいっぱいだった。





「葉山壮馬(はやま そうま)。こいつと旺太の地元の先輩的なあれね」


「…叶野羅奈です。一ノ瀬くんのクラスメイトです」


「彼女っす!」




あえて口にしなかった単語を祥太郎くんはズバッと言い当てた。


まあいいけど…




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