野良狼と野良少女
「そんなに警戒しなくていいよ、歳も3個しか違わないし。その制服、俺の母校だし」
「大学3年生、ですか?」
「そーそー。ピッチピチの21歳。そんなおじさんに見えた?」
「いや…」
むしろ若く見えた。同い年と言われても違和感がないくらいに。
キャラメルブラウンの髪に白い肌、ぱっちりした目に綺麗な鼻。
とても顔が整っている。
一ノ瀬くんとは系統が違うけど、この人もまたイケメンだった。
アイドル顔というのか、でも失礼ながらどこかクズみがあるようにも見える。
「で、旺太の彼女ってマジ?」
「…はい、一応…」
「へぇ、あのバイト先の女の子が彼女かと思ってた」
ぴた
と時が止まったように体が凍りついた。
バイト先の女の子が彼女かと思ってた…?