野良狼と野良少女


「失礼します、ご注文お伺いします!」


「…っ」





この人…


キラキラの笑顔を浮かべた可愛らしい顔。





名札の “ 佐々木 愛美莉(ささき えみり) ” という文字。


直感でピンときた。多分、この人が…





「あの子、エミリって子。」


「…」





隣の壮馬さんからそう耳元でコソッと教えられた。




たしかに、超可愛いって言っていたのが納得の顔だった



小さな顔に大きな目、長いまつ毛に小さな口。

可愛い。女の私でもそう思った。





「羅奈ちゃん、飲み物来たよ」


「あ、ありがとうございます…」


「「かんぱーい!」」





みんなでグラスで乾杯を交わし、運ばれてきたご飯を食べる。



祥太郎くんや壮馬さんが私にも話を振ってくれたけど…正直全力で楽しむことは出来なかった。





< 181 / 240 >

この作品をシェア

pagetop