野良狼と野良少女
一時間ほどたち、どんどん帰りにくくなってきたころ。
「羅奈ちゃん大丈夫?なんか顔赤くない?」
「…大丈夫です、ちょっと暑いだけで」
リサさんに顔を覗き込まれて、ヘラっと笑って見せた。
「…え、ねえちょっと!これもしかして烏龍茶じゃなくてウーロンハイじゃない?」
「…へ?」
私からグラスを奪ったリサさんが目を丸くする。
烏龍茶?ウーロンハイ?
なんのことだろう。
「貸して」
「あ」
リサさんが持っていたグラスは今度壮馬さんに取られ、そのまま壮馬さんが1口。
「…あーあ、飲んじゃったね。羅奈ちゃん」
なんてまた艶のある笑みを浮かべるんだ。