野良狼と野良少女
「大丈夫?気持ち悪い?」
「大丈夫です、ちょっと熱いのとぼーっとするくらいれ…」
「呂律回ってないし。しっかり酔ってんじゃん。ここの酒強えんだよな」
グラスの8割も飲んで気づかなかったなんて、どれだけぼーっとしていたんだろう。
ダメだなぁ、こんなことでモヤモヤして注意力が散漫になるなんて。
一ノ瀬くんが浮気してるかもなんて、疑いもしないけど心のどこかで引っかかってしまう。
最低だな私、彼女失格かな
なんだか悲しくなってきた。
「…私お手洗い行ってきますね」
「気をつけてね、ひとりで行ける?ついてこうか?」
首を横に振ってリサさんの後ろを通って個室を出れば、居酒屋特有のにぎやかさに少し頭痛がした。
オシャレなお店だけど、居酒屋は居酒屋なんだな。